不倫慰謝料の支払いができない場合
1 不倫慰謝料の支払いがない場合の2つの対応方法
不倫相手との間で不倫慰謝料の支払いについての話がまとまることと、実際に支払いがなされることとは、別の問題です。
不倫慰謝料に限ったことではありませんが、法的な争いの現場においては、約束通りの支払いがなされないということも多々あります。
このような状況への対応方法は、主に次の2つです。
①改めて支払い条件を協議し分割支払いとする
②債務名義を用いた強制執行
以下、これらの方法について詳しく説明します。
2 改めて支払い条件を協議し分割支払いとする
不倫相手の財産、収支等の状況によっては、不倫慰謝料を期限までに支払うことができないということもあります。
このような場合、支払い条件について再度協議をし、毎月分割して不倫慰謝料を支払うという条件に変更をするという方法が考えられます。
そして、分割支払いにする内容で合意したら、改めて返済条件を記した和解書を作成します。
このとき、可能であれば執行認諾文言付公正証書で和解書を作成しておくとよいでしょう。
3 債務名義を用いた強制執行
不倫慰謝料支払いの催促をしても連絡が取れない場合や、分割支払いにしても支払いが滞る場合には、強制執行による回収が考えられます。
強制執行をするためには、まず債務名義と呼ばれるものが必要となります。
債務名義の具体例としては、確定した判決や、裁判上の和解、執行認諾文言付公正証書が挙げられます。
債務名義がない場合、和解書を証拠として訴訟を提起し、確定判決または裁判上の和解を得る必要があります。
また、強制執行をするためには、差し押さえの対象とする財産を特定する必要があります。
不倫相手が不動産を持っている場合や、勤務先が判明している場合、不動産や給与(給与債権)を差し押さえの対象とします。
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