不倫慰謝料の減額要素に関するQ&A
Q不倫期間が短いことは減額要素になりますか?
A
実務においては、不倫をしていた期間が短い場合、不倫慰謝料の金額が低くなる傾向にあります。
どのくらいの期間であれば、どのくらいの減額ができるかについては明確な基準はなく、後述する不貞行為の回数と併せて考慮することにはなりますが、不倫期間が短ければ減額交渉が行われる可能性は高いと考えられます。
Q一度しか不貞行為をしていないのですが、慰謝料を減額できますか?
A
不貞行為の回数が少ない場合も、実務上は慰謝料が低くなる傾向にあります。
不倫慰謝料とは、不貞行為によって平穏な夫婦生活を送る権利が侵害されたときに発生する慰謝料です。
つまり、不倫慰謝料には、どのくらい平穏な夫婦生活を送る権利を侵害したかによって、金額が変わるという性質があります。
感覚的にみても、1回の不貞行為と、複数回の不貞行為とでは、平穏な夫婦生活を送る権利の侵害の度合いが異なると考えられます。
また、一般的には、不倫の期間が長いほど、不貞行為の回数も多くなると考えられます。
逆にいえば、不貞行為の回数が1回だけの場合には不倫慰謝料が低くなる傾向にあることに加えて、不倫期間も短ければより金額が低くなる可能性があります。
Q夫婦関係が破綻していると聞いていたのですが、慰謝料の減額交渉は可能ですか?
A
理論上は、不貞行為があった時点において夫婦関係が完全に破綻していたという場合には、不倫慰謝料は発生しません。
先述のとおり、不倫慰謝料は不貞行為によって平穏な夫婦生活を送る権利を侵害した場合に発生するものです。
夫婦関係が破綻していたという場合には、そもそも平穏な夫婦生活が存在していないので、侵害も発生しないということになります。
ただし、完全に夫婦関係が破綻していたかどうかを証明することは、実務上は簡単ではないこともあります。
そのため、不貞行為の時点で別居をしていた、不倫以外の理由で離婚協議をしていたなど、夫婦関係が破綻していたということを間接的に裏付ける事情をもとに、ある程度慰謝料を下げるなどの調整がなされることがあります。